記事「古典的な戦略を再構築する(第13回):移動平均線のクロスオーバーにおける遅延の最小化」についてのディスカッション

 

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移動平均クロスオーバーは、私たちのコミュニティにおけるトレーダーの間で広く知られている戦略ですが、その基本的な仕組みは誕生以来ほとんど変化していません。本稿では、この戦略に存在する“遅延”を最小限に抑えることを目的とした、わずかながらも重要な改良について紹介します。元の戦略を愛用しているトレーダーの方々にも、今回ご紹介する洞察をもとに、戦略の見直しを検討していただければ幸いです。同一の期間を持つ2つの移動平均を使用することで、戦略の根本的な原則を損なうことなく、遅延を大幅に削減することが可能になります。

本日のディスカッションの意義を正しく理解するために、まずは従来のクロスオーバー戦略によって得られるベンチマークパフォーマンスを確立します。そのうえで、従来の戦略と、今回提案する再構築された戦略のパフォーマンスを比較し、その差異がどれほど意味のあるものかを検証します。

今回の検証対象として選んだのは、EUR/USDペアです。EUR/USDは、世界で最も取引量の多い通貨ペアであり、ほとんどの通貨ペアと比較して非常に高いボラティリティを持ちます。そのため、単純な移動平均クロスオーバー戦略にはあまり向かないと一般的に考えられています。前述のとおり、本検証では日足チャートを使用します。私たちは、2020年1月1日から2024年12月24日までの約4年間の履歴データを使用して戦略をバックテストします。バックテスト期間は、以下の図1で強調表示されています。

図1:MetaTrader 5端末で月足を使用して4年間のEURUSDバックテスト期間を表示する

従来のクロスオーバー戦略は、直感的に理解しやすく、合理的な基本原則に基づいているため、多くのトレーダーに支持されています。しかし、効果的に活用するためには頻繁な最適化が必要となる場合が多く、その適用には注意が必要です。特に、「高速線」と「低速線」にどの期間を設定すべきかは一概に言えず、相場の状況によって大きく変化する可能性があります。 


作者: Gamuchirai Zororo Ndawana