ユーロが対円で半年ぶり安値、仏テロでリスク回避-ドル122円台半ば

ユーロが対円で半年ぶり安値、仏テロでリスク回避-ドル122円台半ば

16 11月 2015, 11:43
Yamaguchi Katashi
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16ユーロで東京外国為替市場では円に対して約半分の年ぶりの安値となった。先週の終わりにパリで開催されたテロ攻撃を受けて、ユーロ円売りはリスク回避の動きから買いが先行した。

ユーロ・円相場は朝方に一時1ユーロ=13065銭と前週末の終値(13209銭)から1円以上値を切り下げ、4月29日以来の水準までユーロ安・円高が進んだ。午後2時10分現在は13129銭前後で取引されている。

ドル・円相場も朝方に1ドル=12223銭と今月6日以来の水準まで円高に振れたが、その後日本の7-9月期の国内総生産(GDP)を手掛かりに円を売る動きが出て、一時前週末終値に並ぶ12261銭まで値を戻す場面も見られた。同時刻現在は12249銭前後。

三菱UFJモルガン・スタンレー証券の叙事詩チーフ通貨ストラテジストは、週末のテロ攻撃に応答して、リスク回避の動きからドル円は、122円台後半の中から「窓を開けて始まった」、2四半期連続のマイナス成長となったことで、「日銀の追加緩和期待を受けたせめぎ合いとなっている」と説明。ユーロについては、テロ攻撃(ECB)、欧州中央銀行の期待を緩和することは、言う、成長してきた「ユーロの自然な流れが販売されている」と語る。

内閣府が16日発表した7-9月期のGDP速報値は物価変動の影響を除いた実質で前期比年率で0.8%減と2期連続のマイナス成長となり、 事前の予想(0.2%減)を下回った。日本銀行は1819日に金融政策決定会合を開く。

週明けの東京株式相場は続落して取引を開始。パリでの同時テロを受けリスク回避に伴う売りが先行し、日経平均株価は一時344円安まで下げたが、その後は下げ幅を縮小している。

クレディ・アグリコル銀行の斎藤裕司外国為替部長は、「GDPは予想範囲内ながらやや弱めで、補正予算の積み増しや春までの追加緩和への期待が出やすい」と説明。政策期待でドル・円はサポートされるとし、パリ同時テロを受けたリスク回避の円買いが続くかどうかは「株次第」と指摘する。

ユーロ・ドル相場は朝方に1ユーロ=1.0700ドルを割り込み、一時1.0687ドルと4営業日ぶりの水準までユーロ売りが進行。その後は1.07ドル台前半でもみ合う展開となっている。

上田ハーロー外貨保証金事業部の山内俊哉氏は、パリ同時テロの短期的な影響は限定的とみているが、足元で景況感の回復などが見られるフランス経済に観光客の減少や消費の低迷などの影響が表れれば、12月の追加緩和期待と相まって中長期のユーロ安につながると予想している。