
リキッドチャート
はじめに
あるとき私はタイムフレーム H4 以上のチャートはブローカーごとに違って見えることに気づきました。その理由はブローカーが異なるタイムゾーンに存在することでした。タイムゾーンにそれほど差はないのに同じチャートの特定箇所が著しく違うことがあります。あるチャートでは明確な反転パターンがあり、別のチャートの同じ箇所には明確なパターンがなかったのです。
それでつねに右側に完全なクローズしているバーがくるような H1 のチャート再作成をするインディケータを書こうという思いがよぎりました。価格源としてM1 期間が選択されました。結果、時間ごとのチャートは毎分再作成され、1時間後には同じ時間毎のチャートが 60 通りもありました。その形式はなめらかに流れるように変化し、最初のパターンではまったくなかった隠れたパターンを表現しました。
私はその特別な外観からこのインディケータを『リキッドチャート』と名づけました。基本期間の新規バーが出現するとかスタティックシフトの値が変化するときのどちらかにプロットモードによってこのチャートは『流れる』(再作成される)のです。本稿では『リキッドチャート』をプロットする原則を考察し、それからインディケータを書き、この技術をインディケータによるエキスパートトレードとパターンによるエキスパートトレードに使用する場合の効率を比較します。
1. プロット原則
始める前に用語の定義を行います。
シフト-結果として生じるチャートバーの始値とソースチャートバーの始値の差
現タイムフレーム-ソースチャートのタイムフレーム
基本タイムフレーム-結果チャートのバーを形成するために利用していく価格を持つタイムフレーム
基本期間は現行期間を越えません。現行期間は余りなしで基本期間で割ります。基本タイムフレームに対する現行タイムフレームの比率が高いほど、結果チャートのバリエーションは増えます。とはいうものの、比率が大きすぎると、基本タイムフレームの履歴データが必要な結果チャートバーを描くのに十分ではない可能性があります。
チャートをプロットする方法は3とおりあります。
- 静的シフトを伴うチャート(静的シフト または SS)
- オープンモードで動的シフトを伴うチャート(動的シフト、オープンしたて または DSO)
- クローズモードで動的シフトを伴うチャート(動的シフト、期待したクローズまたは DSC)
静的シフトモードではバーの開始時刻は設定時刻に移動します。オープンモードの動的シフトはバーがオープンした直後のように、クローズモードではバーがすぐにクローズするように見えるのです。
詳しく見ていきます。
1.1. 静的シフトを伴うチャート
このモードでは各バーの開始時刻は基本タイムフレームの設定数に等しい分数だけ移動します。われわれはそれをシフトと呼びます。このように設定されたシフトが 0 であれば、チャートは正確にソースチャートと同じものです。基本タイムフレームが15分とすると、シフト 1 は 15 分です。シフト 2 は30分、などです。
シフトは (k-1)を超えることはできません。ここで k は基本タイムフレームに対する現タイムフレームの比率です。現タイムフレーム H1 と基本タイムフレーム M1 であれば許容できる最大シフトは基本タイムフレームの 60/1 - 1 = 59 で、これは59 分です。基本タイムフレームが M5 なら最大許容シフトは基本タイムフレームの 60/5 - 1 = 11 でそれは55分です。
現タイムフレーム H1 と15分のシフトでのバー開始時刻は 00:15、01:15、02:15 などです。現タイムフレーム M15 とシフト 1 分でのバー開始時刻は 00:16、00:31、00:46、01:01 などです。
シフトが限界値に近いときのようなチャートはソースチャートとほとんど変わりません。顕著な違いが出るのはシフト値が許容範囲の真ん中に近いときです。
図1 基本タイムフレーム M15 でシフト値1 の時間ごとのバー形成例
1.2. オープンモードで動的シフトを伴うチャート
このモードでは、基本タイムフレームの新規バーが出現するたびにシフトが再計算されます。同時に、シフトはチャートの末尾にあるバー(直近価格)の時間が基本タイムフレーム値を越えないように計算されます。現タイムフレームが H1 で基本タイムフレームが M5 であれば、それは一番右のバーがオープンしたのは5分以前ではないように見えます。
図2 基本タイムフレーム M15 でオープンモードの動的シフトを伴うバー形成例
1.3. クローズモードで動的シフトを伴うチャート
このモードでは、オープンモード同様、基本タイムフレームの新規バーが出現するたびにシフトが再計算されます。唯一異なる点は、シフトがチャート末尾のバー(直近価格)の存在する時刻が現タイムフレームと基本タイムフレームの差より大きいかまたは等しくなるように計算されていることです。現タイムフレーム H1 と基本タイムフレーム M5において右端のバーは5分以内にクローズするように見えます。
図3 基本タイムフレーム M15 でクローズモードの動的シフトにおけるバーの1時間ごとの形成例
2. データ変換
GetRatesLC()関数は設定されたシフトを考慮しつつ履歴データを変換するために書かれています。それは MqlRates タイプのストラクチャを持つ配列に変更された履歴データを書き込みます。CopyRates() 関数に類似しています。
int GetRatesLC( int start_pos // source for copying int len, // amount to copy MqlRates& rates[], // target array ENUM_TIMEFRAMES base_period, // basic timeframe int& shift // shift );
パラメータ
start_pos
現タイムフレームにおける第一エレメント[in] インデックスそれはデータ変換とバッファにコピーするスタート地点です。
len
[in] コピーされたエレメント数
rates[]
[out] MqlRates タイプの配列
base_period
[in] 基本タイムフレーム
shift
[in] [out] シフトそれは以下の値を受け付けます。
値 | 説明 |
---|---|
-2 | オープンモード(バー形成の初め)でシフトを計算します |
-1 | クローズモード(バー形成の終わり)でシフトを計算します |
0 ... N | 設定されたシフトを適用します。値 0~N を受け付けます。 N = Tcur/Tbase - 1. ここで Tcur は現タイムフレーム、Tbase は基本タイムフレームです。 |
表1 シフトパラメータの許容値
関数が正常に実装されると、計算された値が -2 ~-1 であればシフトが計算された値を受け取ります。
戻り値
コピーされたエレメント数またはエラーコード
コード | 説明 |
---|---|
-1 | 誤った指定をされた基本タイムフレーム |
-2 | 誤った指定をされたシフト |
表2 返されたエラーコード
以下は liquidchart.mqh ファイルからの GetRatesLC() 関数のコードです。
int GetRatesLC(int start_pos,int len,MqlRates &rates[],ENUM_TIMEFRAMES base_period,int& shift) { //--- number of basic timeframes contained in the current one int k=PeriodSeconds()/PeriodSeconds(base_period); if(k==0) return(-1);//basic timeframe specified incorrectly //--- MqlRates r0[]; ArrayResize(rates,len); if(CopyRates(_Symbol,_Period,start_pos,1,r0)<1) return(0);// no data //--- int sh; if(shift>=0) { //--- fixed shift if(shift<k) sh=shift; else return(-2);//--- shift specified incorrectly } else if(shift==-1) { //--- shift to be calculated (dynamic, beginning of the bar formation) sh=int((TimeCurrent()-r0[0].time)/PeriodSeconds(base_period)); } else if(shift==-2) { //--- shift to be calculated (dynamic, end of the bar formation) sh=1+int((TimeCurrent()-r0[0].time)/PeriodSeconds(base_period)); if(sh>=k) sh = 0; } else return(-2);//shift specified incorrectly //--- opening time of the basic period bar, which is the beginning of the current period bar formation //--- synchronization of the time of opening bars takes place relative to the tO time datetime tO; //--- closing time of the bar under formation, i.e. opening time of the last bar of basic timeframe in the series datetime tC; tO=r0[0].time+sh*PeriodSeconds(base_period); if(tO>TimeCurrent()) tO-=PeriodSeconds(); tC=tO+PeriodSeconds()-PeriodSeconds(base_period); if(tC>TimeCurrent()) tC=TimeCurrent(); int cnt=0; while(cnt<len) { ArrayFree(r0); int l=CopyRates(_Symbol,base_period,tC,k,r0); if(l<1) break; //--- time of the bar with the (l-1) index does not have to be equal to tC //--- if there is no bar with the tC time, it can be the nearest bar //--- in any case its time is assigned to the tC time tC=r0[l-1].time; //--- check if tO has the correct value and modify if needed. while(tO>tC) tO-=PeriodSeconds(); //--- the time values of tO and tC have actual meaning for the bar under formation int index=len-1-cnt; rates[index].close=0; rates[index].open=0; rates[index].high=0; rates[index].low=0; rates[index].time=tO; for(int i=0; i<l; i++) if(r0[i].time>=tO && r0[i].time<=tC) { if(rates[index].open==0) { rates[index].open= r0[i].open; rates[index].low = r0[i].low; rates[index].high= r0[i].high; }else{ if(rates[index].low > r0[i].low) rates[index].low=r0[i].low; if(rates[index].high < r0[i].high) rates[index].high=r0[i].high; } rates[index].close=r0[i].close; } //--- specifying closing time of the next bar in the loop tC=tO-PeriodSeconds(base_period); // cnt++; } if(cnt<len) { //-- less data than required, move to the beginning of the buffer int d=len-cnt; for(int j=0; j<cnt; j++) rates[j]=rates[j+d]; for(int j=cnt;j<len;j++) { //--- fill unused array elements with zeros rates[j].close=0; rates[j].open=0; rates[j].high=0; rates[j].low=0; rates[j].time=0; } } shift = sh; return(cnt); }
重要なポイントはいくつか強調表示されています。
- この関数はティック値を返しません。その理由は DSC モードでは関数は1に等しいボリュームを返さないのことです。それはバー開始時に起こることだからです。ひじょうに論理的です。みなさんの Expert Advisor が新規バー形成シグナルとしてティックボリューム1を使用しているなら、それはそのシグナルを受け取ることはありません。この方法は 移動平均 Expert Advisor で用いられています。関数にティックボリュームのカウントを追加することができますが、正しく動作しないでしょう。混乱を避けるため、私はティックボリュームを計測しません。
- 関数はバーの依頼数を返しますが、それは最初のバーから最後のバーまでの時間が対応するソースチャートの時間間隔と等しいことを意味するものではありません。履歴データの連続セグメントでは対応があるものですが。指定されたセブメントに週末が含まれていると、境界線に『ファントムバー』が出現することがあります。
下図は『ファントムバー』例を示しています。このバーは10月27日の最初の分について形成され、10月26日23:01 の開始時刻のバーに含まれてしまいました。そのようなバーの後、インディケータチャートはソースチャートとの関係で左に移動します。最初の時刻(たとえば21:00 →21:01)に対応するそのバーは異なるインデックスを持つことになります。
図4 2014.10.26 23:01 のファントムバー
3. インディケータの実装
個別のウィンドウに『リキッドチャート』を表示するインディケータを書きます。インディケータは3とおりのモードすべてで動作します。:静的シフトモード、動的シフトバー開始モード、動的シフトバー終了モードです。インディケータはまたインディケータパラメータダイアログを呼ぶことなくモードとシフト値を変更する制御エレメントを持つ必要があります。
まずF liquidchart.mqh ファイルから GetRatesLC() 関数を使います。それを RefreshBuffers() 関数から呼びます。それはOnCalculate 関数から呼ばれる関数です。モードまたはシフトの変更とインディケータバッファの再計算が必要であれば、それは OnChartEventから呼ぶこともできます。OnChartEvent 関数はボタンを押すこととシフトとモードの値の変更を処理します。
以下がインディケータの入力パラメータです。
input ENUM_TIMEFRAMES BaseTF=PERIOD_M1; // LC Base Period input int Depth=100; // Depth, bars input ENUM_LC_MODE inp_LC_mode=LC_MODE_SS; // LC mode input int inp_LC_shift=0; // LC shift
ここで Depth は結果チャートのバー数、ENUM_LC_MODE はインディケータのプロットモードを述べるタイプです。
enum ENUM_LC_MODE {//plotting mode LC_MODE_SS=0, // Static Shift LC_MODE_DSO=1, // Dynamic Shift, just Open LC_MODE_DSC=2 // Dynamic Shift, expected Close };パラメータ inp_LC_mode および inp_LC_shift はそれぞれ LC_mode と LC_shift によってコピーされます。この設計によりボタンを押すことでその値を変更することができるのです。ボタンを描画することとボタンの押下処理については本稿のトピックに関連がないため取り上げません。RefreshBuffers() 関数を詳しく考察します。
bool RefreshBuffers(int total, double &buff1[], double &buff2[], double &buff3[], double &buff4[], double &col_buffer[]) { MqlRates rates[]; ArrayResize(rates,Depth); //--- int copied=0; int shift=0; if(LC_mode==LC_MODE_SS) shift = LC_shift; //static shift else if(LC_mode==LC_MODE_DSO) shift = -1; //calculate shift (beginning of the bar formation) else if(LC_mode==LC_MODE_DSC) shift = -2; //calculate shift (end of the bar formation) else return(false); //--- copied=GetRatesLC(0,Depth,rates,BaseTF,shift); //--- if(copied<=0) { Print("No data"); return(false); } LC_shift = shift; refr_keys(); //--- initialize buffers with empty values ArrayInitialize(buff1,0.0); ArrayInitialize(buff2,0.0); ArrayInitialize(buff3,0.0); ArrayInitialize(buff4,0.0); //--- int buffer_index=total-copied; for(int i=0;i<copied;i++) { buff1[buffer_index]=rates[i].open; buff2[buffer_index]=rates[i].high; buff3[buffer_index]=rates[i].low; buff4[buffer_index]=rates[i].close; //--- if(rates[i].open<=rates[i].close) col_buffer[buffer_index]=1;//bullish or doji else col_buffer[buffer_index]=0;//bearish // buffer_index++; } // return(true); }
まず shift 変数に関連する値がモードに応じてGetRatesLC() 関数に渡されます。静的モードではそれはLC_shift パラメータのコピーで、それに応じてバーの開始または終了モードでは -1~ -2 となります。関数が正常に実行されたら、GetRatesLC() が、 shift 変数に対してシフトの現在の値を返します。それは再計算されるかそのままかどちらかです。いずれにしても、その値を LC_shift 変数に割り当て、それから refr_keys() 関数によってグラフィックエレメントの再作成を呼びます。
その後、インディケータバッファの OHLC 値とバーの色を更新します。
インディケータのフルコードは liquid_chart.mq5 ファイルにあります。起動後、インディケータは以下のようになります。
図5 リキッドチャートインディケータ
制御エレメントについて少し説明します。
- SS ボタンはインディケータを静的シフトモードに切り替えます。矢印のついたボタンはこのモードでアクティブで、シフトを必要な値に設定するのに使用することができます。
- DSOS ボタンはインディケータをバーの形成を開始する動的シフトモードに切り替えます。このモードではシフト値が計算され、それはマニュアルでは変更できません。
- DSC ボタンはインディケータをバーの形成を終了する動的シフトモードに切り替えます。このモードでもシフト値をマニュアルで変更することはできません。.
SS モードでは、シフト値 0 のとき、インディケータは最初のチャートの値をコピーしています。シフト値を変更すれば、チャートが再作成されるのがわかります。顕著な違いはすでに値 28 で現れます。弱い "rails" の代わりに目立った "hammer" が存在します。これは買いのタイミングでしょうか?
図6 リキッドチャートインディケータ、シフト 28
インディケータを DSO モードに切り替えると新たに形成されるバーがつねに右にきます。DSC モードでは基本タイムフレーム値内でクローズするバーが存在します。
4. エキスパートの作成
エキスパートを2件作成します。一番目は「移動平均」によってトレードを行うもの、二番目は「ピンバー」パターンによってトレードを行うものです。
テンプレートとしての標準的な例(Experts\Examples\Moving Average フォルダ)から 移動平均エキスパートを取ります 。静的シフトまたは動的シフトを使用するとき関連性といくばくかの有意性があることを理解するために、このように基本的に異なる2件の戦略の最適化結果を比較しすることができます。
4.1. 移動平均を用いたエキスパートのトレーディング
ます入力パラメータを決定します。入力パラメータは4個あります。
input double MaximumRisk = 0.1; // Maximum Risk in percentage input double DecreaseFactor = 3; // Decrease factor input int MovingPeriod = 12; // Moving Average period input int MovingShift = 6; // Moving Average shift
近代化後あと3個のパラメータを追加します。
input ENUM_TIMEFRAMES BaseTF=PERIOD_M1; // LC Base Period input bool LC_on = true; // LC mode ON input int LC_shift = 0; // LC shift
LC_on パラメータは GetRatesLC() が正常に動作するか確認するのに有用です。コンビネーション (LC_on == true && LC_shift == 0) は (LC_on == false) と同様の結果となるはずです。
シフトを伴う既製エキスパートの移動平均を近代化するには、シフト機能が有効となっているとき(入力パラメータ LC_on が真)、liquidchart.mqhファイルをインクルードし、 CopyRates() 関数を GetRatesLC() で置き換える必要があります。
int copied; if(LC_on==true) { int shift = LC_shift; copied=GetRatesLC(0,2,rt,BaseTF,shift); } else copied = CopyRates(_Symbol,_Period,0,2,rt); if(copied!=2) { Print("CopyRates of ",_Symbol," failed, no history"); return; }
それは関数 CheckForOpen() および CheckForClose() の両方で行う必要があります。インディケータハンドラは使用せず「移動平均」をマニュアルで計算します。そのために CopyMABuffer() 関数を追加しました。
int CopyMABuffer(int len,double &ma[]) { if(len<=0) return(0); MqlRates rates[]; int l=len-1+MovingPeriod; int copied; if(LC_on==true) { int shift = LC_shift; ArrayResize(rates,l); copied=GetRatesLC(MovingShift,l,rates,BaseTF,shift); } else copied=CopyRates(_Symbol,_Period,MovingShift,l,rates); // if(copied<l) return(0); // for(int i=0;i<len;i++) { double sum=0; for(int j=0;j<MovingPeriod;j++) { if(LC_on==true) sum+=rates[j+i].close; else sum+=rates[copied-1-j-i].close; } ma[i]=sum/MovingPeriod; } return(len); }
それはなんらかの理由で取得に失敗した場合、必要な値の数値または ma[] バッファ内の 0 を返します。
開始バーの制御は考慮すべきもう一つ別の重要ポイントです。オリジナルバージョンの 移動平均 Expert Advisor ではそれはティック値によって取り入れられています。
if(rt[1].tick_volume>1) return;
われわれの場合、ティックボリュームはないのでバー開始を制御するために newbar() 関数を書きます。
bool newbar(datetime t) { static datetime t_prev=0; if(t!=t_prev) { t_prev=t; return(true); } return(false); }
処理の原則はバーの開始時億を前回の値と比較することです。関数CheckForOpen() および CheckForClose()内で newbar()を呼ぶためのティックボリュームの確認を置き換えます。
if(newbar(rt[1].time)==false) return;
既製英気スパートのコード完全版は moving_average_lc.mq5 ファイルにあります。
4.2. 「ピンバー」パターンによってトレードを行うExpert Advisor
ピンバー または ピノキオバー は3本のバーで構成されるパターンです。真ん中のバーは長いヒゲまたは『鼻』を持ち、価格変動の可能性ある反転を示しています。両側のバーは『目』と呼ばれます。その端点は近隣バーのヒゲより長くなりません。このパターンはろうそく足モデルでトレードを行うトレーダーの間で人気です。
われわれのピンバーは以下の価格下降の反転条件を満たす必要があります。
- r[0] バーはブルである。
- r[2] バーはベアである。
- 価格 A および C に最大値は Bを越えません。ここで A および C はそれぞれバー r[0] と r[2] の最高値となります。B は r[1] バーの最高価格です。
- r[1]バーの Open と Closeの差のモジュール(図でOC )である真ん中のバーの本体は外部パラメータによって設定されるポイント数を越えません。
- 真ん中のバーのヒゲ、または 最高 価格とr[1] バーの最大の開始および終了 値の差は外部パラメータによって設定されるポイント数より小さくなりません。
- 真ん中のバーの本体に対するヒゲの比率は外部パラメータによって設定されるポイント数より小さくなりません。
パターンのチェックは r[3] バーの開始時に行われます。
図7 「ピンバー」パターン
以下が下向きの反転に対するピンバーの存在を決定するコードです。
if(r[0].open<r[0].close && r[2].open>r[2].close && r[1].high>MathMax(r[0].high,r[2].high)) { //--- eyes of the upper pin bar double oc=MathAbs(r[1].open-r[1].close)/_Point; if(oc>inp_pb_max_OC) return(0); double shdw=(r[1].high-MathMax(r[1].open,r[1].close))/_Point; if(shdw<inp_pb_min_shdw) return(0); if(oc!=0) { if((shdw/oc)<inp_pb_min_ratio) return(0); } return(1); }
上向きの反転と同様です。したがってピンバーの存在を確認する関数は以下のように記述されます。
int IsPinbar(MqlRates &r[]) { //--- there must be 4 values in the r[] array if(ArraySize(r)<4) return(0); if(r[0].open<r[0].close && r[2].open>r[2].close && r[1].high>MathMax(r[0].high,r[2].high)) { //--- eyes of the upper pin bar double oc=MathAbs(r[1].open-r[1].close)/_Point; if(oc>inp_pb_max_OC) return(0); double shdw=(r[1].high-MathMax(r[1].open,r[1].close))/_Point; if(shdw<inp_pb_min_shdw) return(0); if(oc!=0) { if((shdw/oc)<inp_pb_min_ratio) return(0); } return(1); } else if(r[0].open>r[0].close && r[2].open<r[2].close && r[1].low<MathMin(r[0].low,r[2].low)) { //--- eyes of the lower pin bar double oc=MathAbs(r[1].open-r[1].close)/_Point; if(oc>inp_pb_max_OC) return(0); double shdw=(MathMin(r[1].open,r[1].close)-r[1].low)/_Point; if(shdw<inp_pb_min_shdw) return(0); if(oc!=0) { if((shdw/oc)<inp_pb_min_ratio) return(0); } return(-1); } return(0); }
渡される履歴データの配列は4エレメント以上です。上のピンバーが検出される場合(それは下向きの反転を示すピンバーです)、関数は値1を返します。低いピンバーがある倍(上向きの反転と想定される)、関数は値 -1 を返します。ピンバーがまったく存在しない場合、この関数は 0 を返します。またこの関数は次の入力パラメータを使用します。
input uint inp_pb_min_shdw = 40; // Pin bar min shadow, point input uint inp_pb_max_OC = 20; // Pin bar max OC, point input double inp_pb_min_ratio = 2.0; // Pin bar shadow to OC min ratio
われわれはピンバーによるもっともシンプルな戦略でトレードをしようとしています。下向きの反転が予想されると売り、上向きの反転だと買いを行います。通常、インディケータ確認が必要ですが、今回はそれは行わず実験的整合性を維持します。われわれはピンバーのみを使用します。
「ピンバー」パターンによる Expert Advisor のトレーディングは「移動平均」によるエキスパートトレーディングに基づいています。CopyMABuffer() 関数は後者から削除します。関数 CheckForOpen() および CheckForClose() からのこの関数の呼び出しも同様です。依頼される履歴データ数は2から4に増えることとなります。 r[3] バー時刻は新規バー開始確認に使用されます。
int copied; if(LC_on==true) { int shift = LC_shift; copied=GetRatesLC(0,4,rt,BaseTF,shift); } else copied = CopyRates(_Symbol,_Period,0,4,rt); if(copied!=4) { Print("CopyRates of ",_Symbol," failed, no history"); return; } if(newbar(rt[3].time)==false) return;
以下はポジションオープンのシグナル確認です。
int pb=IsPinbar(rt); if(pb==1) // upper pin bar signal=ORDER_TYPE_SELL; // sell conditions else if(pb==-1) // lower pin bar signal=ORDER_TYPE_BUY; // buy conditions
次は反対側のピンバーによるポジションのクローズです。
if(type==(long)POSITION_TYPE_BUY && pb==1) signal=true; if(type==(long)POSITION_TYPE_SELL && pb==-1) signal=true;
入力パラメータの厳しい条件ではピンバー seldom が発生することに留意ください。このため反対側のピンバーによってのみポジションがクローズするとき、利益を失うか、損失で終了するリスクがあります。
これに関連してテイクプロフィット と ストップロスレベルを追加します。それらは外部パラメータ inp_tp_pp と inp_sl_pp によってそれぞれ設定されます。
double sl=0,tp=0,p=0; double ask=SymbolInfoDouble(_Symbol,SYMBOL_ASK); double bid=SymbolInfoDouble(_Symbol,SYMBOL_BID); if(signal==ORDER_TYPE_SELL) { p=bid; if(inp_sl_pp!=0) sl=NormalizeDouble(ask+inp_sl_pp*_Point,_Digits); if(inp_tp_pp!=0) tp=NormalizeDouble(ask-inp_sl_pp*_Point,_Digits); } else { p=ask; if(inp_sl_pp!=0) sl=NormalizeDouble(bid-inp_sl_pp*_Point,_Digits); if(inp_tp_pp!=0) tp=NormalizeDouble(bid+inp_sl_pp*_Point,_Digits); } CTrade trade; trade.PositionOpen(_Symbol,signal,TradeSizeOptimized(),p,sl,tp);
inp_tp_pp または inp_sl_pp の値がゼロであれば、対応するテイクプロフィット または ストップロス の値は設定されません。
変更は完了しました。エキスパートは準備できました。コードの完全版は pinbar_lc.mq5 ファイルにあります。
5. エキスパートの最適化
ことなる戦略でシフトを伴うチャートの有効性を評価するには、最良結果をさらに比較することでエキスパートの最適化を利用します。もっとも重要なパラメータは収益、ドローダウン、トレード数です。移動平均でトレードを行うExpert Advisor はインディケータ戦略の役目をし、「ピンバー」パターンによってトレードを行うエキスパートは非インディケータ戦略ケースを代表します。
最適化は MetaQuotes-Demo サーバーから1年の後半についてのクオートにより実行されます。この実験はEURUSD、GBPUSD、USDJPY に対して行われます。開始デポジットはレバレッジ 1:100 の 3,000 米ドルです。テストモードは『全ティック』です。最適化モード-速い(遺伝的アルゴリズム)、バランスマックス
5.1. 移動平均を用いたエキスパートのトレーディングの最適化結果分析
異なるモードで動作しているときのエキスパートの最適化結果を比較します。シフトゼロ、静的シフト、動的シフト(DSO と DSC)のモードです。
テストは期間 2014.04.01~ 2014.10.25(過去半年)、EURUSD、 GBPUSD、USDJPYについて行います。期間 H1
エキスパートの入力パラメータ
パラメータ | 値 |
---|---|
最大リスク(パーセント表示) | 0.1 |
減少率 | 3.0 |
移動平均期間 | 12 |
移動平均シフト | 6 |
ベースTF | 1 分 |
LC_on | 真 |
LC_shift | 0 |
表3 移動平均 LC エキスパートの入力パラメータ
5.1.1. 無効シフトモードでのエキスパート最適化
最適化されたパラメータ
パラメータ | 開始 | ステップ | 終了 |
---|---|---|---|
移動平均期間 | 12 | 1 | 90 |
移動平均シフト | 6 | 1 | 30 |
表4 ゼロシフトモードにおける移動平均 LC エキスパートの最適化されたパラメータ
シフトモード無効でのエキスパート最適化を示すグラフ:EURUSD
図8 ゼロシフトモードにおける移動平均 LC エキスパートの最適化:EURUSD
最良結果
結果 | 収益 | ドローダウン % | トレード数 | MovingPeriod | MovingShift |
---|---|---|---|---|---|
3796,43 | 796,43 | 16,18 | 111 | 24 | 12 |
3776,98 | 776,98 | 17,70 | 77 | 55 | 22 |
3767,45 | 767,45 | 16,10 | 74 | 59 | 23 |
3740,38 | 740,38 | 15,87 | 78 | 55 | 17 |
3641,16 | 641,16 | 15,97 | 105 | 12 | 17 |
表5 ゼロシフトモードにおける移動平均 LC エキスパートの最良結果
ゼロシフトモードでのエキスパート最適化を示すグラフ:GBPUSD
図9 ゼロシフトモードにおける移動平均 LC エキスパートの最適化:GBPUSDD
最良結果
結果 | 収益 | ドローダウン % | トレード数 | MovingPeriod | MovingShift |
---|---|---|---|---|---|
4025,75 | 1025,75 | 8,08 | 80 | 18 | 22 |
3857,90 | 857,90 | 15,04 | 74 | 55 | 13 |
3851,40 | 851,40 | 18,16 | 80 | 13 | 24 |
3849,48 | 849,48 | 13,05 | 69 | 34 | 29 |
3804,70 | 804,70 | 16,57 | 137 | 25 | 8 |
表6 GBPUSDについてゼロシフトモードにおける移動平均 LC エキスパートの最良結果
USDJPY についてシフトモード無効でのエキスパート最適化を示すグラフ
図10 ゼロシフトモードにおける移動平均 LC エキスパートの最適化:USDJPY
最良結果
結果 | 収益 | ドローダウン % | トレード数 | MovingPeriod | MovingShift |
---|---|---|---|---|---|
5801,63 | 2801,63 | 11,54 | 48 | 65 | 23 |
5789,17 | 2789,17 | 14,03 | 50 | 44 | 27 |
5539,06 | 2539,06 | 17,14 | 46 | 67 | 27 |
5331,34 | 2331,34 | 15,05 | 61 | 70 | 9 |
5045,19 | 2045,19 | 12,61 | 48 | 83 | 15 |
表7 USDJPY についてゼロシフトモードにおける移動平均 LC エキスパートの最良結果
5.1.2. 静的シフトモードでのエキスパート最適化
最適化されたパラメータ
パラメータ | 開始 | ステップ | 終了 |
---|---|---|---|
移動平均期間 | 12 | 1 | 90 |
移動平均シフト | 6 | 1 | 30 |
LC_shift | 1 | 1 | 59 |
表8 静的シフトモードにおける移動平均 LC エキスパートの最適化されたパラメータ
EURUSD について静的シフトモードでのエキスパート最適化を示すグラフ
図11 静的シフトモードにおける移動平均 LC エキスパートの最適化:EURUSD
最良結果
結果 | 収益 | ドローダウン % | トレード数 | MovingPeriod | MovingShift | LC_shift |
---|---|---|---|---|---|---|
4385,06 | 1385,06 | 12,87 | 100 | 32 | 11 | 8 |
4149,63 | 1149,63 | 14,22 | 66 | 77 | 25 | 23 |
3984,92 | 984,92 | 21,52 | 122 | 12 | 11 | 26 |
3969,35 | 969,35 | 16,08 | 111 | 32 | 11 | 24 |
3922,95 | 922,95 | 12,29 | 57 | 77 | 25 | 10 |
表9 EURUSD について静的シフトモードにおける移動平均 LC エキスパートの最良結果
GBPUSD について静的シフトモードでのエキスパート最適化を示すグラフ
図12 静的シフトモードにおける移動平均 LC エキスパートの最適化:GBPUSD
最良結果
結果 | 収益 | ドローダウン % | トレード数 | MovingPeriod | MovingShift | LC_shift |
---|---|---|---|---|---|---|
4571,07 | 1571,07 | 14,90 | 79 | 12 | 25 | 42 |
4488,90 | 1488,90 | 15,46 | 73 | 12 | 25 | 47 |
4320,31 | 1320,31 | 9,59 | 107 | 12 | 16 | 27 |
4113,47 | 1113,47 | 10,96 | 75 | 12 | 25 | 15 |
4069,21 | 1069,21 | 15,27 | 74 | 12 | 25 | 50 |
表10 GBPUSD について静的シフトモードにおける移動平均 LC エキスパートの最良結果
USDJPY について静的シフトモードでのエキスパート最適化を示すグラフ
図13 静的シフトモードにおける移動平均 LC エキスパートの最適化:USDJPY
最良結果
結果 | 収益 | ドローダウン % | トレード数 | MovingPeriod | MovingShift | LC_shift |
---|---|---|---|---|---|---|
6051,39 | 3051,39 | 15,94 | 53 | 76 | 12 | 31 |
5448,98 | 2448,98 | 10,71 | 54 | 44 | 30 | 2 |
5328,15 | 2328,15 | 11,90 | 50 | 82 | 13 | 52 |
5162,82 | 2162,82 | 10,46 | 71 | 22 | 26 | 24 |
5154,71 | 2154,71 | 14,34 | 54 | 75 | 14 | 58 |
表11 USDJPY について静的シフトモードにおける移動平均 LC エキスパートの最良結果
5.1.3. 動的シフトモードでのエキスパート最適化
最適化されたパラメータ
パラメータ | 開始 | ステップ | 終了 |
---|---|---|---|
移動平均期間 | 12 | 1 | 90 |
移動平均シフト | 6 | 1 | 30 |
LC_shift | -2 | 1 | -1 |
表12 動的シフトモードにおける移動平均 LC エキスパートの最適化されたパラメータ
EURUSD について動的シフトモードでのエキスパート最適化を示すグラフ
図14 動的シフトモードにおける移動平均 LC エキスパートの最適化:EURUSD
最良結果
結果 | 収益 | ドローダウン % | トレード数 | MovingPeriod | MovingShift | LC_shift |
---|---|---|---|---|---|---|
3392,64 | 392,64 | 27,95 | 594 | 15 | 13 | -2 |
3140,26 | 140,26 | 23,35 | 514 | 12 | 17 | -2 |
2847,12 | -152,88 | 17,04 | 390 | 79 | 23 | -1 |
2847,12 | -152,88 | 17,04 | 390 | 79 | 12 | -1 |
2826,25 | -173,75 | 20,12 | 350 | 85 | 22 | -1 |
表13 EURUSD について動的シフトモードにおける移動平均 LC エキスパートの最良結果
GBPUSD について動的シフトモードでのエキスパート最適化を示すグラフ
図15 動的シフトモードにおける移動平均 LC エキスパートの最適化:GBPUSD
最良結果
結果 | 収益 | ドローダウン % | トレード数 | MovingPeriod | MovingShift | LC_shift |
---|---|---|---|---|---|---|
5377,58 | 2377,58 | 19,73 | 391 | 12 | 26 | -2 |
3865,50 | 865,50 | 18,18 | 380 | 23 | 23 | -2 |
3465,63 | 465,63 | 21,22 | 329 | 48 | 21 | -2 |
3428,99 | 428,99 | 24,55 | 574 | 51 | 16 | -1 |
3428,99 | 428,99 | 24,55 | 574 | 51 | 15 | -1 |
表14 GBPUSD について動的シフトモードにおける移動平均 LC エキスパートの最良結果
USDJPY について動的シフトモードでのエキスパート最適化を示すグラフ
図16 USDJPYシフトモードにおける移動平均 LC エキスパートの最適化:USDJPY
最良結果
結果 | 収益 | ドローダウン % | トレード数 | MovingPeriod | MovingShift | LC_shift |
---|---|---|---|---|---|---|
6500,19 | 3500,19 | 17,45 | 244 | 42 | 28 | -2 |
6374,18 | 3374,18 | 19,91 | 243 | 54 | 24 | -2 |
6293,29 | 3293,29 | 19,30 | 235 | 48 | 27 | -2 |
5427,69 | 2427,69 | 17,65 | 245 | 90 | 8 | -2 |
5421,83 | 2421,83 | 16,30 | 301 | 59 | 12 | -2 |
表15 USDJPY について動的シフトモードにおける移動平均 LC エキスパートの最良結果
5.2. 「ピンバー」パターンを用いたエキスパートのトレーディングの最適化結果分析
異なるモードで動作しているときのエキスパートの最適化結果を比較します。シフトゼロ、静的シフト、動的シフト(DSO と DSC)のモードです。テストは期間 2014.04.01~ 2014.10.25、EURUSD、 GBPUSD、USDJPYについて行います。期間 H1
エキスパートの入力パラメータ
パラメータ | 値 |
---|---|
最大リスク(パーセント表示) | 0.1 |
減少要因 | 3.0 |
ピンバー最小ヒゲ、ポイント | 40 |
ピンバー最大OC、ポイント | 110 |
OC 最小比率に対するピンバーのヒゲ | 1.4 |
SL、ポイント(0 または OFF) | 150 |
TP、ポイント(0 または OFF) | 300 |
LC ベース期間 | 1 分 |
LC モードオン | 真 |
LC シフト | 0 |
表16 ピンバー LC エキスパートの入力パラメータ
ピンバーの形を決定しながらパラメータの最適化を行います。:『鼻』の長さ、真ん中のバー本体に対する『鼻』の長さの比率、本体の最大サイズです。テイクプロフィット および ストップロス レベルも最適化されます。
5.2.1. 無効シフトモードでのエキスパート最適化
最適化されたパラメータ
パラメータ | 開始 | ステップ | 終了 |
---|---|---|---|
ピンバー最小ヒゲ、ポイント | 100 | 20 | 400 |
ピンバー最大OC、ポイント | 20 | 20 | 100 |
OC 最小比率に対するピンバーのヒゲ | 1 | 0.2 | 3 |
SL、ポイント(0 または OFF) | 150 | 50 | 500 |
TP、ポイント(0 または OFF) | 150 | 50 | 500 |
表17 シフトモード無効でのピンバー LC エキスパートの最適化されたパラメータ
シフトモード無効でのエキスパート最適化を示すグラフ:EURUSD
図17 ゼロシフトモードにおけるピンバー LC エキスパートの最適化:EURUSD
最良結果
結果 | 収益 | ドローダウン % | トレード数 | ピンバー最小ヒゲ | ピンバー最大OC | ピンバーヒゲ対 OC 最小比率 | SL | TP |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
3504,59 | 504,59 | 9,82 | 33 | 100 | 60 | 1.8 | 450 | 500 |
3428,89 | 428,89 | 8,72 | 21 | 120 | 60 | 2.8 | 450 | 350 |
3392,37 | 392,37 | 9,94 | 30 | 100 | 60 | 2,6 | 450 | 250 |
3388,54 | 388,54 | 9,93 | 31 | 100 | 80 | 2,2 | 450 | 300 |
3311,84 | 311,84 | 6,84 | 13 | 140 | 60 | 2,2 | 300 | 450 |
表18 EURUSD についてゼロシフトモードにおけるピンバー LC エキスパートの最良の最適化結果
ゼロシフトモードでのエキスパート最適化を示すグラフ:GBPUSD
図18 ゼロシフトモードにおけるピンバー LC エキスパートの最適化:GBPUSD
最良結果
結果 | 収益 | ドローダウン % | トレード数 | ピンバー最小ヒゲ | ピンバー最大OC | ピンバーヒゲ対 OC 最小比率 | SL | TP |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
3187,13 | 187,13 | 11,10 | 13 | 160 | 60 | 2,6 | 500 | 350 |
3148,73 | 148,73 | 3,23 | 4 | 220 | 40 | 2,8 | 400 | 400 |
3142,67 | 142,67 | 11,27 | 17 | 160 | 100 | 1,8 | 500 | 350 |
3140,80 | 140,80 | 11,79 | 13 | 180 | 100 | 2 | 500 | 500 |
3094,20 | 94,20 | 1,62 | 1 | 260 | 60 | 1,6 | 500 | 400 |
表19 GBPUSD についてゼロシフトモードにおけるピンバー LC エキスパートの最良の最適化結果
USDJPY についてシフトモード無効でのエキスパート最適化を示すグラフ
図19 ゼロシフトモードにおけるピンバー LC エキスパートの最適化:USDJPY
最良結果
結果 | 収益 | ドローダウン % | トレード数 | ピンバー最小ヒゲ | ピンバー最大OC | ピンバーヒゲ対 OC 最小比率 | SL | TP |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
3531,99 | 531,99 | 9,00 | 6 | 160 | 60 | 2.2 | 450 | 500 |
3355,91 | 355,91 | 18,25 | 16 | 120 | 60 | 1,6 | 450 | 400 |
3241,93 | 241,93 | 9,11 | 4 | 160 | 40 | 2,8 | 450 | 500 |
3180,43 | 180,43 | 6,05 | 33 | 100 | 80 | 1,8 | 150 | 450 |
3152,97 | 152,97 | 3,14 | 6 | 160 | 80 | 2,8 | 150 | 500 |
表20 USDJPY についてゼロシフトモードにおけるピンバー LC エキスパートの最良の最適化結果
5.2.2. 静的シフトモードでのエキスパート最適化
最適化されたパラメータ
パラメータ | 開始 | ステップ | 終了 |
---|---|---|---|
ピンバー最小ヒゲ、ポイント | 100 | 20 | 400 |
ピンバー最大OC、ポイント | 20 | 20 | 100 |
OC 最小比率に対するピンバーのヒゲ | 1 | 0.2 | 3 |
SL、ポイント(0 または OFF) | 150 | 50 | 500 |
TP、ポイント(0 または OFF) | 150 | 50 | 500 |
LC シフト | 1 | 1 | 59 |
表21 静的シフトモードでのピンバー LC エキスパートの最適化されたパラメータ
EURUSD について静的シフトモードでのエキスパート最適化を示すグラフ
図20 静的シフトモードにおけるピンバー LC エキスパートの最適化:EURUSD
最良結果
結果 | 収益 | ドローダウン % | トレード数 | ピンバー最小ヒゲ | ピンバー最大OC | ピンバーヒゲ対 OC 最小比率 | SL | TP | LC シフト |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
4843,54 | 1843,54 | 10,14 | 19 | 120 | 80 | 1,6 | 500 | 500 | 23 |
4714,81 | 1714,81 | 10,99 | 28 | 100 | 100 | 1,6 | 500 | 500 | 23 |
4672,12 | 1672,12 | 10,16 | 18 | 120 | 80 | 1,8 | 500 | 500 | 23 |
4610,13 | 1610,13 | 9,43 | 19 | 120 | 80 | 1,6 | 450 | 450 | 23 |
4562,21 | 1562,21 | 13,94 | 27 | 100 | 100 | 1,6 | 500 | 400 | 25 |
表22 EURUSD について静的シフトモードにおけるピンバー LC エキスパートの最良の最適化結果
GBPUSD について静的シフトモードでのエキスパート最適化を示すグラフ
図21 静的シフトモードにおけるピンバー LC エキスパートの最適化:GBPUSD
最良結果
結果 | 収益 | ドローダウン % | トレード数 | ピンバー最小ヒゲ | ピンバー最大OC | ピンバーヒゲ対 OC 最小比率 | SL | TP | LC シフト |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
4838,10 | 1838,10 | 5,60 | 34 | 100 | 40 | 2,4 | 450 | 500 | 24 |
4797,09 | 1797,09 | 5,43 | 35 | 100 | 40 | 2,6 | 400 | 500 | 24 |
4755,57 | 1755,57 | 7,36 | 42 | 100 | 100 | 2 | 400 | 500 | 24 |
4725,41 | 1725,41 | 8,35 | 45 | 100 | 80 | 1 | 400 | 500 | 24 |
4705,61 | 1705,61 | 8,32 | 41 | 100 | 100 | 2 | 450 | 500 | 24 |
表23 GBPUSD について静的シフトモードにおけるピンバー LC エキスパートの最良の最適化結果
USDJPY について静的シフトモードでのエキスパート最適化を示すグラフ
図22 静的シフトモードにおけるピンバー LC エキスパートの最適化:USDJPY
最良結果
結果 | 収益 | ドローダウン % | トレード数 | ピンバー最小ヒゲ | ピンバー最大OC | ピンバーヒゲ対 OC 最小比率 | SL | TP | LC シフト |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
4108,83 | 1108,83 | 6,45 | 9 | 140 | 40 | 1,4 | 500 | 450 | 55 |
3966,74 | 966,74 | 7,88 | 12 | 140 | 60 | 2,8 | 450 | 500 | 45 |
3955,32 | 955,32 | 9,91 | 21 | 120 | 80 | 2 | 500 | 500 | 45 |
3953,80 | 953,80 | 6,13 | 10 | 140 | 60 | 2,8 | 450 | 450 | 47 |
3944,33 | 944,33 | 6,42 | 6 | 160 | 100 | 2,6 | 500 | 400 | 44 |
表24 USDJPY について静的シフトモードにおけるピンバー LC エキスパートの最良の最適化結果
5.2.3. 動的シフトモードでのエキスパート最適化
最適化されたパラメータ
パラメータ | 開始 | ステップ | 終了 |
---|---|---|---|
ピンバー最小ヒゲ、ポイント | 100 | 20 | 400 |
ピンバー最大OC、ポイント | 20 | 20 | 100 |
OC 最小比率に対するピンバーのヒゲ | 1 | 0.2 | 3 |
SL、ポイント(0 または OFF) | 150 | 50 | 500 |
TP、ポイント(0 または OFF) | 150 | 50 | 500 |
LC シフト | -2 | 1 | -1 |
表25 動的シフトモードでのピンバー LC エキスパートの最適化されたパラメータ
EURUSD について動的シフトモードでのエキスパート最適化を示すグラフ
図23 動的シフトモードにおけるピンバー LC エキスパートの最適化:EURUSD
最良結果
結果 | 収益 | ドローダウン % | トレード数 | ピンバー最小ヒゲ | ピンバー最大OC | ピンバーヒゲ対 OC 最小比率 | SL | TP | LC シフト |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
4185,65 | 1185,65 | 13,22 | 49 | 200 | 100 | 1,8 | 450 | 500 | -2 |
4011,80 | 1011,80 | 13,75 | 49 | 200 | 100 | 2 | 400 | 500 | -2 |
3989,28 | 989,28 | 12,01 | 76 | 140 | 20 | 1,2 | 350 | 200 | -1 |
3979,50 | 979,50 | 16,45 | 157 | 100 | 20 | 1 | 450 | 500 | -1 |
3957,25 | 957,25 | 16,68 | 162 | 100 | 20 | 1 | 400 | 500 | -1 |
表26 EURUSD について静的シフトモードにおけるピンバー LC エキスパートの最良の最適化結果
GBPUSD について動的シフトモードでのエキスパート最適化を示すグラフ
図24 動的シフトモードにおけるピンバー LC エキスパートの最適化:GBPUSD
最良結果
結果 | 収益 | ドローダウン % | トレード数 | ピンバー最小ヒゲ | ピンバー最大OC | ピンバーヒゲ対 OC 最小比率 | SL | TP | LC シフト |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
4906,84 | 1906,84 | 10,10 | 179 | 120 | 40 | 1,8 | 500 | 500 | -2 |
4316,46 | 1316,46 | 10,71 | 151 | 120 | 20 | 2,4 | 450 | 500 | -1 |
4250,96 | 1250,96 | 12,40 | 174 | 120 | 40 | 1,8 | 500 | 500 | -1 |
4040,82 | 1040,82 | 12,40 | 194 | 120 | 60 | 2 | 500 | 200 | -2 |
4032,85 | 1032,85 | 11,70 | 139 | 140 | 40 | 2 | 400 | 200 | -1 |
表27 GBPUSD について動的シフトモードにおけるピンバー LC エキスパートの最良の最適化結果
USDJPY について動的シフトモードでのエキスパート最適化を示すグラフ
図25 動的シフトモードにおけるピンバー LC エキスパートの最適化:USDJPY
最良結果
結果 | 収益 | ドローダウン % | トレード数 | ピンバー最小ヒゲ | ピンバー最大OC | ピンバーヒゲ対 OC 最小比率 | SL | TP | LC シフト |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
5472,67 | 2472,67 | 13,01 | 138 | 100 | 20 | 2,4 | 500 | 500 | -1 |
4319,84 | 1319,84 | 15,87 | 146 | 100 | 20 | 2,2 | 400 | 500 | -1 |
4259,54 | 1259,54 | 19,71 | 137 | 100 | 20 | 2,4 | 500 | 500 | -2 |
4197,57 | 1197,57 | 15,98 | 152 | 100 | 20 | 1 | 350 | 500 | -1 |
3908,19 | 908,19 | 16,79 | 110 | 120 | 40 | 3 | 400 | 400 | -1 |
表28 USDJPY について動的シフトモードにおけるピンバー LC エキスパートの最良の最適化結果
6. 最適化結果の比較
比較表を作成するには、収益、ドローダウン、トレード数最大値を最良結果の表それぞれから選びます。静的または動的シフトモードで受け取られた値の次に変化(パーセント表記)またはゼロシフトモードにおける同じ値との関連でこの値を記載します。
6.1. 移動平均を用いたエキスパートのトレーディング
収益
シフトなし | 静的シフト | 動的シフト | |
---|---|---|---|
EURUSD | 796,43 | 1385,06 (+74%) | 392,64 (-51%) |
GBPUSD | 1025,75 | 1571,07 (+53%) | 2377,58 (+132%) |
USDJPY | 2801,63 | 3051,39 (+9%) | 3500,19 (+25%) |
表29 移動平均LC エキスパートの最良の最適化結果表からの最大収益値比較
ドローダウン
シフトなし | 静的シフト | 動的 シフトt |
|
---|---|---|---|
EURUSD | 17,7 | 21,52 (+22%) | 27,95 (+58%) |
GBPUSD | 18,16 | 15,46 (-15%) | 24,55 (+35%) |
USDJPY | 17,14 | 15,94 (-7%) | 19,91 (+16%) |
表30 移動平均LC エキスパートの最良の最適化結果表からの最大ドローダウン値比較
トレード数
シフトなし | 静的シフト | 動的シフト | |
---|---|---|---|
EURUSD | 111 | 122 (+10%) | 594 (+435%) |
GBPUSD | 137 | 107 (-22%) | 574 (+319%) |
USDJPY | 61 | 71 (+16%) | 301 (+393%) |
表31 移動平均LC エキスパートの最良の最適化結果表からの最大トレード数値比較
最初に目が引かれるのは動的シフトモードにおけるエントリーポイントの大幅な増加です。同時に、ドローダウンは目だって増加していますが、収益は EURUSD については2倍減少しています。
指摘シフトモードはこの Expert Advisor に対してはより収益性があります。ここで GBPUSD と USDJPY に対するドローダウンが下がっているのと、EURUSD と GBPUSD に対して収益が著しく増えているのがわかります。
6.2. 「ピンバー」パターンによるエキスパートのトレード
収益
シフトなし | 静的シフト | 動的シフト | |
---|---|---|---|
EURUSD | 504,59 | 1843,54 (+265%) | 1185,65 (+135%) |
GBPUSD | 187,13 | 1838,10 (+882%) | 1906,84 (+919%) |
USDJPY | 531,99 | 1108,83 (+108%) | 2472,67 (+365%) |
表32 ピンバーLC エキスパートの最良の最適化結果表からの最大収益値比較
ドローダウン
シフトなし | 静的シフト | 動的シフト | |
---|---|---|---|
EURUSD | 9,94 | 13,94 (+40%) | 16,68 (+68%) |
GBPUSD | 11,79 | 8,35 (-29%) | 12,4 (+5%) |
USDJPY | 18,25 | 9,91 (-46%) | 19,71 (+8%) |
表33 ピンバーLC エキスパートの最良の最適化結果表からの最大ドローダウン値比較
トレード数
シフトなし | 静的シフト | 動的シフト | |
---|---|---|---|
EURUSD | 33 | 28 (-15%) | 162 (+391%) |
GBPUSD | 17 | 45 (+165%) | 194 (+1041%) |
USDJPY | 33 | 21 (-36%) | 152 (+361%) |
表34 ピンバーLC エキスパートの最良の最適化結果表からの最大トレード数値比較
ここでも動的シフトモードにおけるトレード数の大幅な増加が認められます。この場合はしかし、移動平均 LC エキスパートの場合に類似したドローダウンの大きな増加が EURUSD にのみあります。その他の通貨ペアに対しては、ドローダウンは約5~8%とわずかに増加しています。
静的シフトモードでは、最適化は GBPUSD と USDJPY に限られた収益を示しています。それでもなお、同じ通貨ペアに対して大きなドローダウンの減少が見られ、EURUSD には増加がみられます。静的シフトモードはこの Expert Advisor にとっては収益性が低いようです。
おわりに
本稿では『リキッドチャート』のプロット原則を考察し、その処理モードがインディケータおよび非インディケータ戦略を基にしたエキスパートの最適化結果に与える影響を比較しました。
そこで以下の結論が導かれます。
- インディケータ戦略(たとえば移動平均によるトレード)を用いるエキスパートにとっては静的シフトモードがより適している。それはより正確な市場参入を保証し、それはドローダウンの減少と収益の増加につながります。
- 動的シフトモードはパターンによってトレードを行うエキスパートにより適しています。このモードはエントリーポイントを増やす一方で同時にドローダウンを増加させます。
- 動的シフトモードはうまく構成された資金管理と共用するとすばらしい結果を提示します。
- インディケータ戦略に対してひじょうに有望そうに見えますが、静的シフトモードには一つ重大な欠点があります。最良結果を出しているシフト値が正しいであろうと想定される入力パラメータのリストでは別の変数となっているのです。
MetaQuotes Ltdによってロシア語から翻訳されました。
元の記事: https://www.mql5.com/ru/articles/1208





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