売買シグナルのモジュール

クライアント端末の標準パッケージは「MQL5 Wizard」のための売買シグナルの既製モジュールのセットを含んでいます。MQL5 Wizard でのエキスパートアドバイザー作成の際に、売買シグナルモジュールの(64 までの)組み合わせを使用することが出来ます。取引操作の最終決定は、含まれたモジュールの全てから取得されたシグナルの複雑な分析に基づいて行われます。取引意思決定の仕組みの詳細な説明は下記で与えられています。

標準パッケージは以下のシグナルモジュールを含みます。

シグナルモジュールに基づいて取引決定を下すメカニズム #

取引意思決定のメカニズムの基本原理は、以下のリストとして表すことが出来ます。

  • シグナルの各モジュールは、マーケットモジュールのセット(価格及び指標の値の特定の組み合わせ)を有します。
  • 各マーケットモデルは、1〜100の範囲の意義を持っています。意義が高いほど、モデルは強くなります。
  • それぞれのモデルは、価格の動きの方向の予測を生成します。
  • モジュールの予測は、埋め込まれたモデルの検索の結果で、-100〜100の範囲内の数として出力されます。符号は予測された動きの方向を決定します。(負の符号は価格の下降、正の符号は価格の上昇を意味します。)。絶対値が見つかった最良モデルの強度に対応しています。
  • 各モジュールの予測は、設定で指定された 0~1 の範囲を持つ係数(「重さ」)とともに最後の 「投票」に送信されます。
  • 投票の結果は、符号が予測移動方向を決定する-100〜100 の範囲内の数であり、絶対値は、信号の強さを特徴付けます。これは、全てのシグナルモジュールの重み付きの予測の算術平均として計算されます。

生成されたエキスパートアドバイザーにはそれぞれ 2 つの調整可能設定があります。それは 0〜100 の範囲を持つ、注文を出す及び決済する際のしきい値レベルです(ThresholdOpen とThresholdClose)。最終のシグナル強度がしきい値レベルを超えた場合、シグナルの符号に対応する取引操作が行われます。

ThresholdOpen=20 及び ThresholdClose=90 のしきい値を持つエキスパートアドバイザーを見てみましょう。「重さ」0.4 のMA シグナルモジュールと「重さ」0.8 の ストキャスティックス シグナルモジュールの 2 つが取引操作の決定に参加するとします。収得された売買シグナルの 2 つのバージョン体を分析してみましょう。

バージョン1

価格が上昇中のMAを上向きに交差しました。これはMA モジュールに実装されているマーケットモデルの 1 つに対応します。このモデルは価格上昇を暗示します。その意義は、100 に等しいです。同時に、ストキャスティックスーーが拒否して価格との乖離を形成しました。これはストキャスティックスモジュールに実装されているモデルの 1 つに対応します。このもでるは価格下降を暗示します。このモデルの「重み」は 80 です。

ここで「投票」の結果を計算しましょう。MA モジュールから取得された値は 0.4 * 100 = 40 として算出されます。ストキャスティックスモジュールから取得された値は 0.8 * (-80) = -64 として算出されます。最終的な値は、これら 2 つの値の算術平均として (4 - 64)/2 = -30 で計算されます 。投票の結果は 12 に等しい相対的な強さを持つ売りシグナルです。20 のしきい値には届きません。従って、個の取引操作は行われません。

バージョン 2

価格が上昇中のMAを下向きに交差しました。これはMA モジュールに実装されているモデルの 1 つに対応し、価格上昇を暗示します。その意義は、10 に等しいです。同時に、ストキャスティックスーーが拒否して価格との乖離を形成しました。これはストキャスティックスモジュールに実装されているモデルの 1 つに対応します。このもでるは価格下降を暗示します。このモデルの「重み」は 80 です。

ここで「投票」の結果を計算しましょう。MA モジュールから取得された値は 0.4 * 10 = 4 として算出されます。ストキャスティックスモジュールから取得された値は 0.8 * (-80) = -64 として算出されます。最終値は、これら 2 つの値の算術平均として (4 - 64)/2 = -30 で計算されます 。投票の結果は 30 に等しい相対的な強さを持つ売りシグナルです。これは20 のしきい値を超えます。よって、ショート(売り)注文を出すシグナルが結果となります。

チャートでのマーケットモデルの例

a) 価格のストキャスティックスーの発散(変種1及び2)。

b) 価格が MA を上向きに交差しました(変種 1)。

c) 価格が MA を下向きに交差しました(変種 2)。