中国:負債デフレへの転落、構造改革で阻止-次期5カ年計画が左右

中国:負債デフレへの転落、構造改革で阻止-次期5カ年計画が左右

2 11月 2015, 15:37
Kadze
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中国共産党指導部は先週、今後5年でよりバランスの取れた経済成長に移行させる新たな青写真を公表し始めたが、中国経済の負債デフレのわなへの転落阻止という喫緊の課題にも直面している。

中国人民銀行(中央銀行)は先月、この1年で6度目となる利下げを実施し、負債デフレのリスク回避に向けた取り組みを強化した。金融緩和は短期的な助けにはなるが、共産党指導部は長期的な是正策として、第13次5カ年計画(20162020年)に盛り込まれた過剰生産能力の削減や新たな成長の原動力強化、疲弊した国有企業から活力ある民営企業への調達資金シフトなどの改革を後押しする必要がある。

中国全体の借入残高は国内総生産(GDP)比208%と、08年から3分の2増える一方、生産者物価指数(PPI)は3年7カ月連続でマイナス圏にとどまり、消費者物価指数(CPI)も昨年半ばに下を向き始めた。こうした中でのリスクは、実質ベースの資金調達コストが上昇すると同時に企業の資産価値が下がり、企業は経営を続けるために借り入れを増やさざるを得ないというわなにはまる悪循環だ。

UBSグループの中国担当エコノミスト、汪涛氏(香港在勤)は「金融緩和は支えになり、必要だが、企業と国有企業改革は極めて重要だ」と指摘。「この問題に根本から対処するには、中国は新たな成長源を解き放ち、過剰生産能力を減らして『ゾンビ』企業を整理し、銀行がバランスシート上で抱える不良債権を処理するために構造改革を強化することが必要だ」とコメントした。